グループ1,700名のペーパーレス化を実現!
法制度に対応した経理業務の見直しで内部統制も強化
株式会社日比谷花壇は、花と緑を通じて豊かな社会づくりに貢献する企業です。ブライダル、ショップ運営、葬儀、法人向けのフラワーギフトや空間装飾など、多岐にわたる事業を展開しています。
同社では、法制度対応や経費管理の効率化、透明性の向上を目指して、2023年に既存システムからハーモス経費に切り替えました。スマートフォンアプリの活用やAI-OCR機能により、従業員の負担軽減と業務のスピードアップを達成し、全国の店舗での運用もスムーズに進みました。
長年利用してきた経費精算システムが時代に適応しきれなくなり、操作性や管理面で様々な課題が発生していた
既存システムの課題
他社のスクラッチ開発システムを利用して、ワークフローや経費精算を行なっていましたが、ハーモス経費導入前にはいくつかの課題がありました。
まず、紙の証憑管理です。データ形式での経費精算は可能でしたが、最終的には紙の証憑を確認しており、そのため確認作業に多くの時間を費やしていました。また、店舗から送付されたはずの証憑が見つからず、再送付してもらう手間も発生していました。
次に、アクセス制限の問題です。既存システムは社内ネットワークからのみアクセス可能でしたが、パソコンが1台しかない店舗もありました。そのため、複数の従業員が経費精算を行なう際には順番待ちが発生していました。また、通勤時間やリモートワーク中にスマホやパソコンで経費精算ができないという不便さもありました。
さらに、法制度対応も課題でした。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が既存システムでは難しく、改修には多大なコストがかかりました。
最後に、マスター管理の問題です。スクラッチ開発の利点を活かして、承認ルートの追加・変更や新規マスターの作成など、各部署の多様な要望に対応していましたが、頻繁なカスタマイズにより標準化が難しくなり、マスター管理が複雑化していました。そのため、効率化が求められていました。
必要な機能を維持しつつ、コストを最小限に抑えることができた点が魅力
経費精算と稟議を効率化するシステムの採用
経費精算システムの利用にあたって、グループ会社への展開も視野に入れていました。各社の経理業務をコーポレートサービス部で一元管理しているのですが、基幹システムも統一したいという意向がありました。既存のシステムを改修すると費用が高額になるため、最終的に5~6社の提案を比較しました。その結果、ハーモス経費を選定した理由は以下の通りです。
まず、本稼働後のサポート体制が充実していることが決め手となりました。特に、電話でサポートが受けられることは、他社がチャットやメールのみのサポートだったのと比べて、大きな安心材料でした。
また、当社では社外からの利用が多いため、スマートフォンアプリを活用してモバイル端末からアクセスできることが大きな利点でした。さらに、利用者数が多いため、1IDあたりのコストを抑えることができる点も重要でした。
当社では約40の申請フローがありましたが、ハーモス経費は経費精算と稟議の両方をひとつのシステムで対応できる点は非常に有用でした。他社のシステムでは経費精算は可能でも稟議の仕組みがない、または入口が別々というケースが多かったです。
これらの理由により、業務の効率化が図られ、必要な機能を維持しつつコストを最小限に抑えることができました。
社内での合意形成においては、既存システムとハーモス経費の年間ランニング費用の比較、利便性の向上、そして今後の法制度に対応するためにクラウドシステムの導入が必要であることを強調しました。
手厚いサポート体制で予定通り稼働開始し、2023年10月の法改正への対応と承認プロセスの簡素化を実現
カスタマイズを最小限に抑え、標準化を推進。会計システムも同時に刷新
稼働開始に向けてのプロセスは計画通りに進行し、法改正への対応と同時に効率化を大幅に進めることができました。 導入の準備段階では、既存の経費精算・管理プロセスを分析し、改善すべき点を洗い出しました。特に申請区分と承認ルートが多すぎたため、これらを整理し、内部統制を考慮しながらシンプルな形にしました。マスター管理の効率化に重点を置きました。
この機会に従業員が理解しやすいように内訳マスターを設定しましたが、少し細かくなり過ぎたかもしれません。承認フローの設定や仕訳連携なども含めて、設定にあたって不明点があれば電話やメールで丁寧にサポートしていただき、スムーズに対応していただけて助かりました。
社内への導入がスムーズに進んだ要因として、ハーモス経費が直感的に操作できる点が大きかったです。導入前に説明を聞いて、すでにハーモス経費を利用している日比谷アメニスからも話を聞き、実際の画面を見て直感的に使えることを確認したことが、スムーズな導入につながったと考えています。現場の従業員にとっても使いやすくなったと思います。特に、モバイル端末で経費精算ができるようになったことが最も便利になったと思います。
導入初期における全国に点在する店舗向けの使い方の説明では、以前から当社で利用しているコミュニケーションツールを活用して伝達を行ないました。また、ハーモス経費のアプリ版とパソコン版のマニュアルを作成し、オンラインで説明会を開催して従業員への周知を徹底しました。さらに、その動画をいつでも視聴できるようにし、誰でも簡単に操作方法を確認できるようにしました。
スマホを利用した経費精算の簡便化。現場で処理したいタイミングでの申請を実現、負担軽減と効率化を促進。
証憑送付が不要になり、年間で数百万円単位のコスト削減の見込み
ハーモス経費導入前は、全国の店舗から証憑を宅配サービスで送付していましたが、導入後は電子化が可能となり、証憑の送付が不要になりました。これにより、宅配サービスにかかるコストや時間が削減されました。領収書や請求書の管理も大幅に効率化され、手間が減少しました。
現在では、領収書はモバイル端末のカメラで撮影し、請求書はスキャンしてPDF化したファイルをハーモス経費にアップロードすることで、迅速に処理が行なえるようになりました。これにより、領収書や請求書等の現物が届かないと経費精算できないという問題が解消されました。
ハーモス経費の導入により、督促や管理コストの削減が実現しました。以前は、全店舗から一度に請求書や領収書が他の書類と一緒に届くため、分解して並べ替え、見比べて整理し、最終的にファイリングする手間がかかっていました。しかし、現在では、現場は証憑を送らなくてよく、私たちもハーモス経費で随時確認して経費精算処理ができるようになり、効率が向上しました。
導入前は月初に経理担当者の残業が発生したり、他部署にも応援を頼んでチェックする人員を増やすなどの対応を行っておりましたが、ハーモス経費の導入により、残業時間が大幅に削減されました。月次決算の締め作業の遅れも発生していたのですが、クラウドシステムのハーモス経費により、証憑の到着を待つ時間や督促が減少し、迅速かつ正確な決算が可能となりました。
また、ハーモス経費のAI-OCR機能により、領収書や請求書の読み取り精度が向上しました。他社のシステムでは読み取りが難しかった証憑も、ハーモス経費では正確に読み取ることができ、読み合わせを行なわなくてよくなったため効率が良くなりました。
グループ全体での経費管理強化とデータ分析の推進
グループ全体の業務最適化を目指す
ハーモス経費の導入により、当社では経費精算業務の効率化とコスト削減を実現できました。1年前までは多くの人手をかけて手作業で行なっていたのが信じられないほどです。今後はデータ活用を強化し、予算管理や分析を進めたいと考えています。また、グループ全体で経費管理を統一し、業務の最適化と全体の業務効率化を目指します。
・紙の証憑管理や法制度対応
→スマートフォンアプリやAI-OCRの活用によって、領収書や請求書の電子保存を実現。紙の証憑の整理やファイリング、督促の手間が激減した。
・アクセス制限
モバイル端末からアクセスできるクラウドシステムの利用により、現場の従業員の経費申請が容易にできるようになった。
・マスター管理の属人化
ハーモス経費の標準機能を活用することで、承認プロセスの簡素化を実現。業務効率化とともに内部統制も強化